頭皮のかさぶたや塊が取れると他の部位と異なり薄毛への心配もあるため、早急な原因究明と治療が必要です。
さらに、塊やかさぶたをつい剥がす癖がある場合は症状の悪化を招く恐れもあるため、剥がしてしまうリスクと適切な対処方法を知っておくことが重要です。
今回は頭皮のかさぶたや角栓、フケといったお悩みについて、それぞれの症状の特徴や原因をまとめて解説しています。
▼この記事に書いてあること
かさぶたや白い塊、過剰なフケなどがみられたら頭皮トラブルの可能性が考えられるので、今回の記事を参考に症状のセルフチェックをしてみてください。
■この記事の監修医師:山下 真理子 先生

| ■経歴 ・医師、美容皮膚科医 ・日本医師会認定産業医 ・京都府立医科大学医学部医学科卒業 |
| 10年以上にわたり美容皮膚科に携わり、関西を拠点に全国で美容医療の現場に立ち続けている。 美容医療に従事するかたわら、専門学校講師やセミナー講師として医療従事者の教育にも尽力。予防医学や美容、栄養に関する講演活動や美活イベントを通して、総合的な美容医療の啓蒙活動につとめる。 また、自身の不妊治療経験を活かし、生理改善アドバイザーとして食育やライフスタイルのアドバイスも行うなど、女性の健康と美容をトータルでサポートする医療を実践。 医師としてだけでなく多方面で活躍する柔軟な視点と感性もあわせ持つ。 |
※この記事の医療情報は山下先生の監修の下、制作しています。但し、サービス選定及びサービスの情報は編集部の調査で行っております。
頭皮から塊が取れる?その正体とは

頭皮から取れる塊の正体は、大きく分けて次の4つが考えられます。
頭皮から取れる塊の特徴やその他の症状から原因を推測することも可能です。
痒みを伴っていたりベタつきを感じる場合や外傷がある場合など、要因として考えられる事象も踏まえて受診の際の参考にしてみてください。
①かさぶた
乾燥や炎症によるかきむしりで頭皮に外傷ができ、体液や膿などが集まり固まって、「かさぶた」や黒い塊が取れる可能性があります。
かさぶたができてしまう頭皮の特徴として「乾燥」があり、次のような要因が挙げられます。
- シャンプーのしすぎor合わない
- 洗い残しによるニキビや湿疹
- ホルモンバランスの乱れ
- 脂質の多い食事で皮脂が過剰分泌
頭皮を触るとザラザラとした感触がして、乾燥によって痒みが生じかきむしってしまことで頭皮を傷つけてしまいます。
ただし、白いかさぶたが取れる場合は炎症や病気を発症している可能性もあるため、早めの受診など注意が必要です。
②角栓
頭皮の毛穴に詰まった皮脂や古い角質が溜まったものが「角栓」となり、白い塊となって取れる場合があります。
頭皮(毛髪の根本)に白く固まって付いていたら角栓を疑いましょう。
角栓をそのまま放置してしまうと、次のようなリスクがあるため早急な対処が望ましいです。
- 毛髪の成長を妨げて薄毛の原因になる
- 細菌が繁殖し臭いの原因になる
- 痒みや炎症の原因になる
適切な頭皮ケアを心がけて清潔な状態に戻しましょう。
③フケの塊
頭皮の角質が古くなり剥がれ落ちたものを「フケ」といい、かさぶたとは異なり皮脂や常在菌の増加が原因でフケが目立つようになり、増えたフケが塊状になることがあります。
頭皮を含め皮膚は日々ターンオーバーという細胞の再生サイクルをおよそ1ヶ月かけて行なっていますが、食生活の乱れや不衛生な環境にあるとサイクルスピードが上がってしまい、頭皮の角質が過剰に剥がれてフケとなります。
頭を掻いた時に取れる角栓と違いフケは自然とパラパラ取れるため、気付いたら肩口や襟足、枕元といったところに見られます。
様々な要因でフケは増えてしまうので、フケの原因と対策の解説からチェックしてみてください。
④皮膚の炎症
頭皮から血の塊のようなかさぶたが取れた場合は、「皮膚の炎症」が原因と考えられます。
頭皮が過度な乾燥やアトピーなどで炎症が起こると痒みを引き起こすことがあり、掻きむしることで傷口ができてしまいかさぶたとなって取れてしまう場合があります。
他にも、美容院で髪をブリーチした後に頭皮に赤いかぶれ・ただれが生じてかさぶたになってしまうケースもあります。
- 薬剤が頭皮に付着してしまった
- 長時間薬剤を塗布したままだった
- 肌が弱い敏感な人
- 薬剤の成分にアレルギーがある人
頭皮の炎症を放置してしまうと別の疾患や薄毛の進行を促してしまうため、原因と対策を知っておくことが重要です。
特に乾燥肌や敏感肌の人は様々な要因で炎症になりやすいため、注意が必要です。
頭皮から取れる黄色い塊や血の塊は何?
もし頭皮から黄色い塊や赤い血の塊が取れる場合、やはり「脂性フケ」「かさぶた」「角栓」の可能性が高いです。
| 脂性フケ | 黄色い塊 | 粒が大きく ベタつきがある | 頭皮や髪の毛に付着 |
|---|---|---|---|
| 乾性フケ | 白い塊 | 粒が小さい カサカサしてる | 肩や襟足 |
| かさぶた | 赤い塊 | 痒みを伴うことが多い | 乾燥や外傷がある |
| 角栓 | 黄色い塊 | ベタつきがある | 臭いがある |
このように、頭皮が不衛生であったり皮膚が敏感・アトピー体質などであれば、黄色いフケや外傷によるかさぶたといったものが取れることがあります。
頭皮の塊の原因|白いかさぶた
頭皮から白いかさぶたの塊が出る場合、次のような疾患の可能性と原因が挙げられます。
| 疾患名 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 脂漏性皮膚炎 | ・皮脂の分泌量が多い箇所に 常在菌のマラセチアが急増 | ・痒みが伴わないケースもある |
| 粃糠性脱毛症 | ・肌質に合わないシャンプーを使用 ・カラー/パーマを頻繁に行う ・ストレス、ホルモンバランスの乱れ | ・白い小さな粒のフケが毛穴を塞ぐ ・女性にも多く見られる |
| 頭部白癬 | ・髪の毛に水虫の皮膚糸状菌が 付着することで発症 | ・うろこ状の斑点/まだら状に 抜け毛を引き起こす ・痒みが非常に強い |
いずれも原因として、頭皮への負担やケアレスによるものが考えられます。
また上記と異なり、頭皮の根元に白い塊が付いている場合は「アタマジラミ」を発症している可能性もあります。
【アタマジラミの特徴】
塊が灰色っぽく爪で潰せる/痒みを伴う/手で払っても落ちない/塊が正円ではなく楕円形
こうした疾患やアタマジラミなどは専門の治療が必要となるため、該当する症状がある場合は一度皮膚科を受診することをおすすめします。
頭皮の塊の原因|角栓がポロポロとれる
頭皮の塊問題の中でも「でかい角栓がポロポロとれて心配」という人は、まず生活習慣や食生活・ヘアケア方法から原因を探りましょう。
- 体質:シャンプーで落としきれないほど皮脂分泌量が多い
- 生活習慣:睡眠不足で成長ホルモンが不十分/運動不足で代謝が低下
- 食生活:糖質や脂質が多く含まれるジャンクフードやお菓子が多い
- ヘアケア:適切な洗浄力でないシャンプーによる皮脂の過不足
- ストレス:過剰なストレスによるホルモンバランスや自律神経の乱れ
角栓とはつまり毛穴の汚れなので、適切な皮脂分泌をもたらす生活と日々の洗浄がポイントとなります。
体質にも因りますが乱れた生活習慣と食事は自分でも改善可能。
頭皮が角栓だらけで悩んでいる人はまずは生活の見直しと、必要に応じてスカルプブラシなどのヘアケア用品導入を検討しましょう。
頭皮の塊の原因|フケ
頭皮の塊の原因の一つとしてまず考えるのはフケですが、正常な頭皮のターンオーバーの周期が次のような原因により乱れることでフケが増えて塊となることがあります。
- シャンプー:合成界面活性剤を含む高すぎる洗浄力で必要な皮脂が不足
- 乾燥:エアコンや冬季の乾燥
- 生活習慣:睡眠不足や脂質糖質の多い食事/運動不足
- フケ原因菌:トリコフィトン・トンズランスと呼ばれるカビの1種
- 病気:脂漏性皮膚炎や乾燥性湿疹など
フケ原因菌はコンタクトスポーツなど接触機会が多いとリスクが増えますが、基本的にはいずれも角栓やかさぶたと同様に頭皮環境を整えることが重要です。
皮膚の中でも頭皮は皮脂分泌が多く生活習慣の影響を受けやすい部分でもあるので、頭皮の代謝不良や血行不良がフケの増加という症状として現れます。
皮脂の分泌量が多い男性は「脂性フケ」、皮脂の分泌量が多い女性は「乾性フケ」という傾向があるため、それぞれの症状に合った対処法を心がけましょう。
頭皮の塊の原因|皮膚の炎症
頭皮の塊の中には、皮膚の炎症によってかゆみが生じて外傷がかさぶたになったものも考えられます。
白いかさぶたの解説でも触れたように、頭皮で発症しやすい皮膚炎も様々なのでそれぞれの特徴をチェックしてみましょう。
| 疾患名 | 原因 | 特徴 |
|---|---|---|
| 毛嚢炎 | ・毛根を包む毛嚢(毛包)が炎症 ・毛嚢にできた傷から細菌が感染 | ・毛穴付近に凹凸の赤いぶつぶつ ・押すと痛い場合もある |
| 乾癬(かんせん) | ・感染症 ・生活習慣病/ストレス ・遺伝要因 | ・銀白色のかさぶた ・赤い湿疹によるかゆみ |
| トンズランス 感染症 | ・接触感染 ・コンタクトスポーツ | ・新しい真菌(カビの一種) ・抗真菌薬の内服治療 |
| アトピー性 皮膚炎 | ・アレルゲン ・ストレス ・遺伝要因 | ・強い痒みのある湿疹 ・肌のカサつき ・完治が難しいが管理可能 |
頭皮の炎症は痒みを伴うため掻きむしりによる傷がかさぶたができやすいのも特徴ですし、毛嚢炎(もうのうえん)のように痛いと感じる場合もあります。
接触感染する可能性も高いので、患部の状態と症状で自己判断せずに病院で診てもらうことをおすすめします。
頭皮のかさぶたを剥がす癖はNG!AGAの危険性も


頭皮にできたかさぶたが気になってしまいつい剥がす癖がある場合は、AGA(薄毛)の原因にもなるため要注意です。
これはかさぶただけでなく角栓なども同様で、はがすのが楽しいと感じて無理やり取ってしまったりするのは、次のように頭皮に大きな負担がかかってしまいます。
- 傷口が再び開いてしまい細菌感染のリスク
- 傷が深くなり皮膚に跡が残ってしまう
- 周囲の健康的な皮膚も傷ついてしまう
- 炎症を慢性化させ不健康な頭皮になる
- 傷口が残り続けるのでAGA治療の妨げになる
かさぶたを剥がしてしまうことで傷口が治らず、頭皮のコンディションは常に悪くなってしまいます。
その結果、血行不良やターンオーバー周期の乱れにつながりAGAや薄毛の原因となってしまう恐れもあります。
かさぶたを取る・はがすという癖の直し方としてはとにかく「触らないこと」と「清潔に保つこと」が重要で、適切な対処方法はこちらで解説しています。
無意識に触ってしまうという人は危険です!剥がし続ける癖があるとはげるリスクが高くなる、ということを覚えておくと良いですね。
頭皮のかさぶたに市販薬やオロナインを使用してもいい?
頭皮にかさぶたが出来た場合、頭皮に使える市販薬であれば使用してもいいですが、オロナイン軟膏の使用はおすすめできません。
市販薬なら、痒みや炎症・湿疹など、症状に合わせて適切な成分が配合されているものを選べば、頭皮のかさぶたへの改善効果が期待できます。
| 症状 | 市販薬種類 |
|---|---|
| かゆみがある場合 | 抗ヒスタミン剤 |
| 赤みや炎症がある場合 | 抗炎症剤・殺菌剤 |
| 脂漏性湿疹 | ステロイドローション |
薬局やドラッグストアでも購入できるものも多いので、薬剤師さんや登録販売士さんに相談してみると安心です。
一方、痒みに有効な市販薬として「オロナインH軟膏」も有名ですが、ニキビなどに有効な成分を含有しているだけで頭皮のかさぶたには不向きといえます。
むしろ皮脂分泌の多い頭皮にはかえって毛穴詰まりを引き起こす可能性があり症状を悪化してしまう懸念があるためおすすめしません。
頭皮のかさぶたや角栓の正しい対処法


頭皮のかさぶたや角栓の正しい対処法として、次の4つのポイントがあります。
頭皮のターンオーバーで多少のフケや角栓が出るのは正常ですが、適切な取り方や洗浄方法でないと頭皮環境の悪化につながる可能性もあるため注意が必要です。
頭皮にはできるだけ触れない
頭皮が乾燥していたり湿疹のようになってかさぶたが出来ている場合、つい掻いてしまったり気になって触ってしまいがちですが、できるだけ触れないように対策しておくことが重要です。
掻いたりかさぶたを剥がそうと触れてしまうと、傷口が広がってしまって症状が悪化する可能性や細菌感染のリスクが上がるため危険です。
無意識に触ってしまう場合は、就寝時の手袋着用や爪を短く切りヤスリがけしておくなどの対策方法を検討しましょう。
頭髪の状態に合ったシャンプーを選ぶ
頭髪ケアも重要で、自分の頭髪の状態に合ったシャンプーを選ぶことで頭皮環境を良くすることができます。
皮脂分泌が多すぎる場合を除き、洗浄力の高すぎる成分を配合しているシャンプーを使っていると必要な皮脂まで洗い流してしまうため、頭皮が乾燥してしまいかさぶたなどの原因となってしまいます。
フケが多い場合や痒みがある場合は、刺激が少なく保湿効果のあるシャンプーやフケ対策の薬用シャンプーを使いましょう。
また、頭髪と頭皮にダメージを与えてしまうブリーチ後も同様に頭皮にかさぶたが出来やすいため、低刺激のシャンプーやアミノ酸配合のものを使用することで頭皮をやさしく労わりましょう。
シャンプーの洗い方や洗い残しに気をつける
頭皮に良いシャンプーを使うだけではなく、正しい洗い方に注意して洗い残しのないよう心がけることも重要。
特に頭皮の古くなった角質である角栓が残っていると毛穴詰まりの原因にもなるため、正しい角栓の取り方として定期的な「揉み出し洗い」が有効です。
【シャンプー(揉み出し洗い)のポイント】
- 両手の指の腹を使い頭皮を動かすように洗う
- 週に1回の頻度で良い
- 傷つかないように爪は短く整える
また、シャンプーの洗い残しはかえって脂漏性皮膚炎などの炎症を引き起こす可能性もあるため、最後までしっかり洗い流せているか確認しましょう。
フケが多い場合は頭皮の湿気による常在菌の増殖も考えられるので、洗った後にそのまま放置せずにドライヤーで丁寧に乾かしておくと安心です。
生活習慣を整える
頭皮のコンディションのためには、まず生活環境を整えることが最重要といえます。
- 睡眠不足:代謝の低下がターンオーバーを乱すため
- 食生活:脂っこいものはフケの原因になるため
- ストレス:精神的要因でも血行不良や肌荒れを招くため
睡眠不足が原因で代謝の低下と血行不良を招き、正しい頭皮のターンオーバー周期を乱れることで頭皮環境を悪化させてしまいます。
また不摂生は皮脂の過剰分泌を招いてしまうため、ビタミンやミネラル・髪の毛を作り出すタンパク質などを多く含む食品の摂取が望ましいです。
いずれも規則正しい生活を心がけることで改善されるものなので、ベースとなる頭皮環境を良くするためにも生活習慣の見直しをおすすめします。
頭皮の白いかさぶたが治らない場合は皮膚科へ
頭皮に起こるかさぶたやフケ・角栓など、症状と原因についてまとめてきましたが、重要なのは早急な原因の特定と適切な治療になります。
かさぶたや湿疹など患部の状態と、痒み・痛みの度合いによっては皮膚炎が発症している可能性も。
特に頭皮の白いかさぶたが治らない場合は専門医療機関での治療が必要となるので、早めに皮膚科に受診することをおすすめします。
症状の程度にもよりますが、まずは基本的な生活習慣の見直しと頭皮に適した丁寧なヘアケアを心がけましょう。









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