抜け毛の根元に白いぷるぷるした塊・毛根鞘(もうこんしょう)がついていると、「大きいけどこれは何?」「抜くとどうなるのかな?」と気になりますね。
毛根鞘らしきものがあまりにでかいと、「ニキビの元ならうまく抜くコツを知りたい」と思ったり「抜きすぎるともう生えてこないのでは」と不安を覚える人もいるはず。
抜け毛の根元に付着したものをよく観察すると正体がわかり、髪の健康状態を知る手掛かりになります。
毛根鞘と皮脂との違い、食べる人がいるという情報の真偽も追及するので、参考にして日ごろのヘアケアに役立ててください。
■この記事の監修医師:山下 真理子 先生

| ■経歴 ・医師、美容皮膚科医 ・日本医師会認定産業医 ・京都府立医科大学医学部医学科卒業 |
| 10年以上にわたり美容皮膚科に携わり、関西を拠点に全国で美容医療の現場に立ち続けている。 美容医療に従事するかたわら、専門学校講師やセミナー講師として医療従事者の教育にも尽力。予防医学や美容、栄養に関する講演活動や美活イベントを通して、総合的な美容医療の啓蒙活動につとめる。 また、自身の不妊治療経験を活かし、生理改善アドバイザーとして食育やライフスタイルのアドバイスも行うなど、女性の健康と美容をトータルでサポートする医療を実践。 医師としてだけでなく多方面で活躍する柔軟な視点と感性もあわせ持つ。 |
※この記事の医療情報は山下先生の監修の下、制作しています。但し、サービス選定及びサービスの情報は編集部の調査で行っております。
毛根鞘(もうこんしょう)とは?

毛根鞘とは毛髪の根元に付着しているゼリー状の塊で、髪の毛と頭皮を固定する接着剤のような役割と毛根を守る役目を担う組織です。
毛穴の皮膚側部分が「外毛根鞘」、毛根に接している部分が「内毛根鞘」と分類されます。
▼毛根鞘の構造と役割
| 名称 | 部分 | 役割 |
|---|---|---|
| 外毛根鞘 | ・毛根鞘の外部分 ・皮膚側 | ・全体を保護 ・毛を毛穴に固定する役割 |
| 内毛根鞘 | ・毛根鞘の内部分 ・毛根の周囲を覆う | ・毛根に絡みついている ・毛の成長をサポート |
(参考1):医療法人社団 雄秀会 池袋クリニック-毛根鞘(もうこんしょう)とは?白い塊の正体と抜くコツや知っておくべきリスクを徹底解説
頭髪だけでなく全身のすべての体毛に存在するもので、毛が抜け落ちる際に一緒に付着していることがあります。
抜け毛に毛根鞘が付着していると「毛の元が抜けてしまったのでは」「もう二度と生えないのでは」と不安を覚えるかもしれませんが、そうではありません。安心してくださいね。
毛根鞘の成分は?白いぷるぷるの正体
毛根鞘は白いぷるぷるとしたゼリー状の塊で、成分は主にタンパク質や細胞組織です。
▼毛根鞘の成分
・タンパク質
・毛乳頭細胞
・メラノサイト など
いずれも毛の成長を助けたり毛穴に固定させるための組織で、体から分泌される皮脂やフケとは異なります。
白っぽい半透明でぷるぷると弾力があるのが特徴です。
毛根鞘が大きい!巨大になる理由
毛根鞘は通常毛の根元を覆うように付着している小さいものですが、大きい・太いものの場合皮脂が混ざっている可能性があります。
毛根鞘は毛の根元を薄く覆っています。あまりにでかい・巨大化したものは不純物を含み、頭皮が不健康な可能性があるので注意が必要ですよ。
問題がある・ないの見分け方とどのようなリスクがあるかを次のようにまとめます。
毎日のヘアケアにも関わることなので、自分の頭皮状態を知る手掛かりにしてください。
毛根鞘と皮脂の違い
毛根鞘と皮脂や角質のような物質は色や形状・付着の仕方に違いがあり、よく観察すれば見分けが可能です。
毛根鞘・皮脂それぞれの特徴をまとめるので、見分け方の参考にしてください。
▼毛根鞘と皮脂の違い
| 毛根鞘 | 皮脂や角質 | |
|---|---|---|
| 色・形状 | ・半透明 ・薄い膜状 | ・白~黄みがかる ・濁りがある ・ベタっと付着 |
| 質感 | ・ひんやり冷たい ・ぷるぷる弾力がある ・ゼリー状 | 粘り気がある |
| 付着の仕方 | 根元のみを覆う | 毛根上部まで覆う |
毛根鞘は光の加減で白っぽく見えることもありますが、透明感があるゼリー状の物質です。
それに対して皮脂や角質は白や黄色っぽく濁りを帯びていて、触るとベタっと指に付着します。
抜け毛に白く濁った塊が多い場合、皮脂が過剰に分泌されていたりシャンプーが不十分だったりという原因が考えられますが、脂漏性皮膚炎のような病気が隠れていることも。(参考2):紀尾井町クリニック-毛根についている白い塊について【医師監修】
炎症がひどくなるとかゆみや脱毛につながることもあるので、おかしいなと感じる場合は医療機関への受診を検討してください。
毛根鞘がでかいとニキビの可能性も
抜け毛の根元に付着しているものがでかい・黄色っぽくて粘りがある場合、毛根鞘ではなく皮脂の塊で頭皮ニキビにつながる可能性があります。
頭皮ニキビは文字通り頭にできるニキビで最初は皮膚がプツっと膨らんだ状態ですが、進行すると白や黄の膿が溜まることも。(参考3):こばとも皮膚科-頭皮ニキビ
膿の原因は増殖したアクネ菌で、毛が抜ける時に付着していると毛根鞘のように見えます。
ニキビ程度なら…と軽く考えがちですが、ひどくなると痛みをともない化膿することも。数が多い・続くなど気になる場合は皮膚科を受診しましょう。塗り薬がありますよ。
毛根鞘をきれいに抜くコツは?


毛を抜いた時に毛根鞘がついていると爽快感があって気持ちいいと感じる人がいるようで、知恵袋やSNSではきれいに抜くコツについての質問や投稿がちらほらと見受けられます。
正常に生えている毛を無理に抜くことは基本的におすすめしませんが、ムダ毛の処理をしたい場合は次のようなポイントを押さえると肌への負担を少なくできるでしょう。
▼毛(毛根鞘)をきれいに抜くコツ
・頭皮を温めて毛穴を広げる
・ピンセットを使用する
・毛の流れに合わせて抜く
・抜いた箇所を清潔にする
・必要に応じて保湿する
入浴したり蒸しタオルをあてるなどして毛穴を広げ流れに沿って優しく引き抜くと、皮膚への負担を少なく抜くことができます。
一部では「毛根鞘を抜いたら全細胞がついて来た?」という声もありますが、大きな塊が取れたからといって次に毛が生えてくるかどうかを心配する必要はありません。
毛を作り出す部分はさらに深い場所にあり、毛根鞘が抜けても次に生えてくる毛には差しさわりがないケースがほとんどだからです。
しかし次に紹介するようにデメリットもあるので、抜く必要がない毛を無理に引っ張るのは避けてくださいね。
毛根鞘を抜くとどうなる?デメリット
毛根鞘を抜くとどうなるかは抜け方や状態・頻度によって異なりますが、肌や毛髪に悪影響を及ぼすリスクが潜んでいます。
考えられるのは次のようなデメリットです。
頭髪だけでなく髭や脇毛でも同様のことが考えられるので、ムダ毛処理の際にも注意をはらいましょう。
①肌への負担や炎症
毛根鞘を無理に抜くと毛穴の内部や周りの肌が引っ張られ、傷になる恐れがあるので注意しましょう。
▼毛根鞘を抜いて生じる皮膚トラブルの例
| トラブル例 | 特徴 |
|---|---|
| 炎症を起こす | ・毛穴の内部や皮膚が引っ張られて傷になる ・一時的に毛穴が開いたままになる |
| 痛み・赤み・かゆみ | ・血管や周囲の神経を刺激する ・傷に細菌が入る |
| 埋没毛 | ・傷ついた毛穴が角質化するなど変形する ・新しい毛が皮膚の外に出てこられない ・皮膚の中で毛が成長する |
炎症を起こすと痛みやかゆみをともなうだけでなく、かさぶたやフケの原因になって見た目にも支障が生まれます。
さらに埋没毛は色素沈着につながることもあるので注意しましょう。
②正常な成長を妨げる
無理な抜毛の繰り返しは自然なヘアサイクルを乱し、毛髪の正常な成長を妨げる恐れがあります。
さらに毛穴や毛髪の成長に欠かせない毛母細胞に傷がついて、健康で太い毛が生えにくくなる恐れも。
毛髪の成長において、正常なサイクルはとても重要です。
仮に毛穴が角質化してふさがり埋没毛になるとスムーズな成長も見込めません。
元気で強い毛を増やすためにも、無理に毛を抜くことは避けてください。
③毛の再生が遅れる・AGAの可能性も?
毛根鞘を抜いても毛穴に毛根が残っていれば再生するため、毛髪が生えてこないわけではありません。
しかし同じ場所の毛を繰り返し抜くと毛髪のサイクルが乱れ、AGAの初期症状のように細く弱い毛しか生えなくなる可能性があります。
毛根鞘がAGAの直接的な原因になるわけではありませんが、結果的に薄毛につながるリスクがあることを理解し無駄に抜かないようにしましょう。
毛根鞘に赤い血?抜けた時の状態をチェック


毛根鞘に赤い血がついている場合、毛が抜ける時に周りの皮膚を傷つけて出血していると考えられます。
日頃のブラッシングやヘアスタイルで、頭皮に負担をかけている可能性があるので注意が必要です。(参考4):イースト駅前クリニック-毛根鞘(もうこんしょう)は取れても大丈夫?気をつけるべきケースを解説
炎症や痛み・かゆみの原因にもなるため、傷つけてしまった時は頭皮を清潔に保ち、症状が続く場合は皮膚科を受診してください。
そのほか毛根鞘が抜けた時の見た目によって毛の健康状態を推測できるので、次のような状態に当てはまらないかを確認しましょう。
特に問題ない場合もあれば治療を検討するほうがいいケースもあるので、状態を悪化させないためにも早めの対策を講じましょう。
①毛根鞘がついてない
抜けた毛に毛根鞘がついていない場合、毛が十分に成長しないままに抜け落ちている可能性があります。
多くの抜け毛に毛根鞘がなく、特に根元が先細りになっている場合は注意深く観察してください。
毛が太く成長する前に生えて細い毛のまま抜けてしまうのはAGAのよくある初期症状で、放置すると薄毛が進行する可能性があります。
そのほか円形脱毛症のような疾患が隠れている可能性もあるので抜けた毛や頭皮の状態をチェックし、気になる場合は医師の診察を受けるといいでしょう。
②毛根鞘が冷たい
毛根鞘を触って冷たいと感じるのは正常な状態なので安心してください。
「毛根鞘と皮脂の違い」でも紹介した通り、毛根鞘は「半透明・ゼリー状のぷるぷるした質感・ひんやり冷たい」という特徴があり弾力のある質感です。
もし白~黄みがかった色でベタついていれば皮脂と考えられ、毎日のシャンプーを丁寧にする・生活習慣を見直すなどで改善の余地があります。
③毛根鞘が黒い
毛根の根元は少し白っぽいのが正常ですが、全体が黒いのは血行不良で悪い状態の可能性があります。
血流が悪いと毛髪に十分な栄養が送られず、色素に異常が起こって黒ずみが生じます。
▼血行不良になる原因
- 冷え
- ストレス
- 睡眠不足
- 食生活の乱れ
全体が真っ黒・抜ける毛がすべて黒いといった状態の場合は、生活習慣の見直しを検討するといいでしょう。
④毛根鞘が硬い
毛を抜いて根元が硬い場合、毛根鞘ではなく皮脂や角質が固まったものの可能性が高いです。
正常な毛根鞘はぷるぷると弾力がありベタつきがないのが特徴ですよ。
白っぽい・黄色っぽい塊が付着している場合は皮脂や角質の可能性が高いので、日ごろのヘアケアで頭皮を清潔に保つよう意識しましょう。
ほかに毛根内の炎症・毛包炎が悪化して膿ができ、しこりのように硬くなった状態の場合もあります。(参考5):第一三共ヘルスケア-毛包炎(毛嚢炎)
いわゆる「おでき」の状態で、痛みや熱を持つほどの重症になる可能性もあるので、当てはまる方は患部を触りすぎないように気を付けてください。
⑤毛根鞘を抜くとかゆい
毛根鞘を抜くとかゆいのは、抜毛によって皮膚が刺激を受けたことによるものがほとんどです。
毛穴・皮膚への刺激による変化はかゆみだけでなく痛みや赤みとなって現れる場合もあります。
刺激が原因なら多くの場合一時的なもので時間が経つと軽減されますが、時にはかゆみが気になって皮膚をかきむしったことで抜け毛が進むケースも。
自分の頭皮の状態を理解し、正しい処置で健康を保ちましょう。
ブラジリアンワックスでよく見るのも毛根鞘?
ブラジリアンワックスで抜けた毛には毛根鞘がついている可能性があります。
ブラジリアンワックスは粘り気が強い専用ワックスをムダ毛が気になる部分に塗り、一気に剥がして毛を処理する脱毛方法。
ワックスがしっかり絡まるため、ムダ毛と古い角質を取り除けると考えられています。(参考6):LOCOCO-ブラジリアンワックス脱毛って効果はあるの?痛いって本当?特徴やメリット・デメリットを紹介
ブラジリアンワックスは毛が根元から抜けるので、毛根鞘も付着している可能性があります。
つるつるに脱毛できると期待できますが、ブラジリアンワックスは肌への刺激や痛みも伴います。サロンに通う場合でも自己処理の時でも、よく理解して施術してくださいね。
毛根鞘を食べる人も?その理由とは
世の中には毛を抜いて毛根鞘を食べる人がいますが、実は抜毛症(トリコチロマニア)という症状を抱えている可能性があります。(参考7):アサミ美容外科-毛根鞘について解説!毛根鞘を抜くコツと抜くとどうなるかを紹介
「毛根鞘の歯ごたえが好き」「おいしい」と感じることもあるようですが、毛を抜くこと・抜いた毛を食べることまでが一連の流れとなり癖となってやめられない状態は危険です。
症状が続くと頭髪が薄くなるだけでなく、胃に髪の毛が塊となって残り外科的な処置が必要となる場合も。
毛根鞘を食べる癖が治らないことに悩む人は少なくありません。知恵袋やSNSでも悩みを打ち明ける声が多く見受けられました。
なんらかのストレスのサインなど精神的要因がある場合も非常に多いため、もし心当たりがある場合は、心療内科に相談するとよいケースもあります。
恥ずかしがらず病院を受診して、気持ちが楽になる方法を探してくださいね。
健康な毛を無理に抜くことは基本的におすすめできませんが、シャンプーやブラッシングで自然に抜けた毛を目にした時には根元を見てみましょう。
根元に毛根鞘がついているかどうかやどんな状態かを観察すると、頭皮の健康を守るきっかけになります。
毎日のケア方法の参考にし、綺麗な頭皮や頭髪へとつなげてください。
▼参考にしたページ一覧
(参考1):医療法人社団 雄秀会 池袋クリニック-毛根鞘(もうこんしょう)とは?白い塊の正体と抜くコツや知っておくべきリスクを徹底解説
(参考2):紀尾井町クリニック-毛根についている白い塊について【医師監修】
(参考3):こばとも皮膚科-頭皮ニキビ
(参考4):イースト駅前クリニック-毛根鞘(もうこんしょう)は取れても大丈夫?気をつけるべきケースを解説
(参考5):第一三共ヘルスケア-毛包炎(毛嚢炎)
(参考6):LOCOCO-ブラジリアンワックス脱毛って効果はあるの?痛いって本当?特徴やメリット・デメリットを紹介
(参考7):アサミ美容外科-毛根鞘について解説!毛根鞘を抜くコツと抜くとどうなるかを紹介









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