AGA治療を本格的に始めたいと思いながら、薬の副作用が不安で躊躇しているという方は多いでしょう。
実際にAGA治療に取り組んでいる方の経験談を聞くと、「初期脱毛がひどい」「ED・性欲が減退する」などの声も。
どんな治療にも副作用はつきものですが、事前に理解を深めると過度な不安が抑えられ、自分にとって本当に必要な治療を選択できます。
そこで当メディアでは、AGA治療をしたことがある男性128名を対象に、独自のアンケート調査を実施。アンケートの調査結果からわかったデータと医師の監修を元に、AGA治療の副作用についてご紹介します。
■この記事の監修医師:山下 真理子 先生

■経歴 ・医師、美容皮膚科医 ・日本医師会認定産業医 ・京都府立医科大学医学部医学科卒業 |
10年以上にわたり美容皮膚科に携わり、関西を拠点に全国で美容医療の現場に立ち続けている。 美容医療に従事するかたわら、専門学校講師やセミナー講師として医療従事者の教育にも尽力。予防医学や美容、栄養に関する講演活動や美活イベントを通して、総合的な美容医療の啓蒙活動につとめる。 また、自身の不妊治療経験を活かし、生理改善アドバイザーとして食育やライフスタイルのアドバイスも行うなど、女性の健康と美容をトータルでサポートする医療を実践。 医師としてだけでなく多方面で活躍する柔軟な視点と感性もあわせ持つ。 |
※この記事の医療情報は山下先生の監修の下、制作しています。但し、サービス選定及びサービスの情報は編集部の調査で行っております。
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※ 本記事における医療に関するコンテンツは医師監修のもと制作をしています。但し、サービスの選定及びサービスの情報は編集部の独自調査で行っております。
【調査対象】AGA治療経験のある全国の男性128名
【調査方法】インターネット調査
【調査期間】2025年9月19日から9月21日まで
【調査の実施主体】本メディア編集部による独自調査
AGA治療薬は副作用がある?

AGA治療をする上で不安だったことを男性128名にアンケート調査したところ、「副作用の心配」と回答した方は全体の26%と2番目に多く、治療を妨げる一つの要因になっていることがわかります。
しかし、治療を開始してから実際に「副作用症状が出た」と回答した方は少ないようです。

調査結果からわかるのは、治療前の副作用への不安と現実との間には個人差があるということ。
もちろん軽視はできませんが、副作用の実態を知るだけでも、AGA治療に対する漠然とした不安は小さくなるはずです。
まずは理解を深めることから始めましょう。
AGA治療薬のリスク!主な副作用は
AGA治療の副作用の症状はさまざまで、発生の有無も症状の度合いも人によって異なります。
- 初期脱毛
- 多毛症
- ED・精力減退
- 肝臓機能障害・腎臓への負担
- 低血圧
- むくみ
- 心臓への負担
- 動悸・息切れ
- うつ症状
- 頭皮のかゆみ・炎症
- 頭痛
選択する治療薬にもよるため、服用前に注視すべきリスクを確認しておくことも大切。
以下に主な副作用の違いをご紹介しているので、ご自身の処方薬と照らし合わせてみましょう。
▼AGA治療薬による副作用の違い
AGA治療薬 | 主な副作用 | |
---|---|---|
内服薬 | フィナステリド (プロペシア) | 肝機能障害・ED・精力減退 |
デュタステリド (ザガーロ) | 肝機能障害・ED・精力減退 | |
ミノキシジル | 初期脱毛・多毛症・低血圧・むくみ・動悸 | |
外用薬 | ミノキシジル | 頭皮の炎症・頭痛・むくみ |
副作用は体調や生活習慣、既往歴等も関係するため、一人一人診察を通して治療薬の選択が行われています。また、仮に副作用が起こった場合には、医療機関で的確な対処をしてもらえます。
AGA治療薬による副作用は、男性ホルモンを抑制する働きのある薬を服用することで、ホルモンバランスに変化が現れ、性欲減退やEDといった症状が出やすくなります。
続いては、主な副作用症状についてそれぞれ詳しく解説していきます。
AGA治療薬の初期脱毛とは
AGA治療薬の副作用で、とくに代表的な症状がミノキシジル内服薬による「初期脱毛」。
治療初期の数週間〜数ヶ月間、ヘアサイクルを促す過程で一時的に古い髪の毛が抜ける症状で、多くは一時的なことが多いです。

とはいえ、ネット上では「初期脱毛がひどい」という声も一定数見られ、どのくらいの毛が抜けるのか心配という方もいるでしょう。
今回のアンケート結果を見ると、初期脱毛について回答者の45%は「なかった」と回答し、次いで31%は「少しあった」と回答しています。
個人差はありますが、多くの初期脱毛は抜け毛が増えたと感じる程度で、見た目に大きく影響するケースは稀です。
AGAは対処しなければ進行していくため、治療過程の抜け毛を恐れるよりも、改善に向かっているサインと受け止めることが大切です。
AGA治療薬の初期脱毛は2回目・3回目があるの?
初期脱毛は二次、三次と数回起こる場合がありますが、初期脱毛の有無や回数は個人差があります
そもそもヘアサイクルは毛ごとに異なり、同じタイミングで生え変わることはないため、時間差で初期脱毛を起こす可能性は十分にあります。
また、治療薬の変更や増量、季節の変わり目などの外的要因も関係します。抜け毛の量や期間によっては初期脱毛以外の可能性も考慮する必要があるため、気になる方は医師に相談することがおすすめです。
AGA治療薬による初期脱毛の期間はいつまで?
初期脱毛は治療薬を服用してから2〜4週間後に始まり、その後4週間程度で治まる方が大半です。
ただし、人によっては2〜3ヶ月程度続くことがあり、初期脱毛の期間には個人差があります。
AGA治療薬の副作用症状|ED・精力が減退する?
AGA治療の副作用には、一部「ED(勃起不全)」や「性欲減退」等の男性機能に関する症状や、一部では精子の数や運動率に影響する可能性があると報告されています。
とくに、男性ホルモンの働きを抑制するフィナステリドやデュタステリドを用いた治療で見られる副作用です。

AGA治療を始めてから勃たないと感じている方がいるとしたら、早めに医師へ相談することがおすすめです。
また、EDはAGA治療とは別の要因の可能性もあるため、AGAとは別でED治療個別の受診をしてみること必要です
AGA治療薬は多毛症で体毛が濃くなる?
「多毛症」とは、AGA治療薬ミノキシジル内服薬で起こりやすい副作用。
ミノキシジル内服薬は発毛促進を目的としたAGA治療で広く利用されていますが、髪の毛だけではなく全身の体毛を濃くする可能性が高い治療薬です。
主に血流改善を促す作用があるため、内服薬の場合その作用が全身に働きます。
体毛の薄い女性でもミノキシジルの服用によって、髭や産毛が生えてきたというケースも少なくありません。
多毛症のリスクを回避するなら、他の治療薬の検討や、比較的体毛への影響が少ないミノキシジル外用薬を選択するのも一つの方法です。
AGA治療薬で低血圧になる?
AGA治療でミノキシジル内服薬を利用する方は、低血圧を引き起こす副作用があるので要注意です。
ミノキシジルはかつてアメリカで高血圧の治療薬として使用されており、血圧を下げる作用があるため高血圧で降圧剤を処方されている方や低血圧の方が服用すると、血圧が下がりすぎる危険性も。
フィナステリドやデュタステリドは血圧への影響が少ないと言われているため、高血圧の治療中でも服用可能です。リスクが懸念される方は、治療薬の選択を含めてかかりつけの医師に必ず相談し、安心してAGA治療に臨みましょう。
AGA治療薬で肝臓機能障害&腎臓への影響は?
AGA治療の副作用でとくに重篤な副作用とされる症状は、フィナステリドやデュタステリドの服用による肝機能障害です。
症状が現れる方は稀ですが、多少の肝機能障害では自覚症状が出にくく、血液検査の数値で判明するケースがほとんど。肝臓の機能が低下し続けると腎臓にも負担がかかり、尿量の低下やむくみが生じることもあります。
かなり進行してから気が付く場合が多いため、医師の管理下で適切な治療を受けることが何よりのリスク回避となります。
AGA治療薬の禁忌
AGA治療薬の副作用を防ぐためには、医師の指導に従い用法・用量を守って正しく服用することが必要不可欠です。
決して自己判断の服用や増量、中断は避けてください。
また、治療に適さない方や副作用のリスクが高い方は、AGA治療を受けることができないため注意しましょう。
- 未成年の方
- 女性の方(特に妊娠中・授乳中は禁忌)
- 肝機能・腎機能に障害がある方
- 薬剤のアレルギーがある方
- 継続した治療が困難な方
- 薄毛の原因がAGA以外にある方
- 薄毛が気にならない方
飲み合わせによって危険性が高いとされる薬もいくつかあります。
▼AGA治療薬と併用注意の薬
AGA治療薬 | 併用注意 | |
---|---|---|
内服薬 | フィナステリド (プロペシア) | — |
デュタステリド (ザガーロ) | HIV治療薬・抗菌剤・抗真菌剤 | |
ミノキシジル | 降圧作用のある薬・一部の鎮痛剤 | |
外用薬 | ミノキシジル | 他の外用薬・育毛剤 |
安心して服用するためにも、服薬中の方は医師に相談し、適性を見極めながらAGA治療を進めることが重要です。
AGA治療薬は「停滞期」がくるって本当?
AGA治療薬は服用してしばらく経つと停滞期がくるのではないかと、不安を訴える方もいます。
結論から言うと、AGA治療薬は効果が最大化すると現状維持にスイッチするため、人によっては停滞感を感じられることがあります。
ミノキシジルによる治療は約6ヶ月〜12ヶ月、フィナステリドやデュタステリドは約1〜2年で効果のピークに達し、その後は新たな発毛を感じにくくなります。
これは決してネガティブなことではなく、AGA治療で目指すべき目的に辿り着いたということ。
AGAは完治しない進行性の脱毛症のため、薬で薄毛を改善して発毛した状態を維持することがゴールです。
服用をやめると、治療薬によって止まっていたAGAが進行してしまうリスクが高いので、自己判断で中断しないようにご注意ください。
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