動脈硬化症に対する再生治療

動脈硬化症に対する再生治療厚労省認可 計画番号:PB3210084 第二種再生医療等

厚生労働省「人口動態統計」【2021年】

2021年の厚生労働省「人口動態統計」では、死因で最も多かった「癌」で亡くなった人は4人に1人です。
死因で2番目の「心疾患」と4番目の「脳血管疾患」は、いずれも動脈硬化症に関連する疾患で「癌」とほぼ同様の4人に1人となっています。

動脈硬化症による各臓器の疾患

動脈硬化症による各臓器の疾患
脳梗塞、脳卒中、老人性痴呆症など
眼底出血、視力障害など
心臓 狭心症、心筋梗塞、心弁膜症など
胸部・腹部 大動脈瘤、解離性大動脈瘤など
腎臓 腎硬化症、腎血管性高血圧症、腎不全など
下肢 閉塞性動脈硬化症、壊疽、冷え性、しびれ

動脈硬化症再生治療の概要

高齢化の急速な進行や生活習慣の欧米化の結果、動脈硬化症の患者が増加しています。加齢、脂質異常症、糖尿病等に伴い身体の広い領域で動脈硬化が生じます。
中でも足の血管の動脈硬化が進み、血管が細くなり、血流が悪くなる閉塞性動脈硬化症(ASO)は、今後も増加すると予測されています。閉塞性動脈硬化症は合併症のため、長期的な患者の生存率は低いことが判明しています。
本治療で用いる間葉系幹細胞は、自分を複製する能力と多様な細胞に分化できる能力を持つことから、血液改善や血管の再生に働きます。また、脂肪由来幹細胞には炎症を抑える効果のある物質を分泌する性質があり、炎症を抑えることにより症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
点滴により投与された幹細胞は、傷ついた組織の修復に加わり、組織修復を促すことが期待でき、幹細胞により分泌されるサイトカインなどにより、炎症を抑える効果が出現すると考えられています。それと同時に血管再生を促進する物質を産生し、血流不足に陥った組織での血管再生を促す物質を産生し血流回復も期待できます。

リスクと副作用について

幹細胞治療で使用される体性脂肪幹細胞は、自分の体から取り出した脂肪幹細胞を培養するので、脂肪幹細胞を投与することでの直接的な副作用はほぼないと考えてよいでしょう。また、iPS細胞で懸念されるガン化についても、心配はいらないでしょう。脂肪組織を採取する際に注射針などで内出血が生じたり、脂肪採取した傷付近が痛むなど、また静脈投与後の発熱などが稀に報告されています。
また、麻酔によるアレルギー症状が出てしまうという方も中にはいらっしゃいます。

再生治療の流れ

腹部の皮下脂肪を少量採取し、これに含まれる脂肪幹細胞を培養増殖させて1億個以上とし、これを点滴で体内に戻し傷害部位を修復し、若返りを実現します。

  1. 事前の診察
    患者様のご希望をお聞きし、再生医療の目的や治療内容、安全性などをご説明いたします。また、患者様の状態も診察いたします。
  2. 事前検査(感染症検査)
    患者様に同意をいただいた後に、特定のウイルスや細菌に感染症の有無についての検査をいたします。
    その結果で問題のない方に、治療を受けていただきます。
  3. 脂肪採取
    清潔に管理された施術室で脂肪採取を行います。採取方法は皮下脂肪を生検針で採取する方法です。
    その際は局所を麻酔しますので、痛みを感じることはほとんどありません。(所要時間は 約20分です。)
    ※脂肪組織採取の副作用
    脂肪組織の採取後は、傷跡の腫れや傷口からの出血、採取部の内出血、内出血後の色素沈着、創部の感染や疼痛などの合併症を引き起こすことがあります。万が一このような症状が起こった場合は、当院の医師が適切に対処いたします。
  4. 幹細胞培養
    採取した脂肪は無菌加工されます。酵素処理により脂肪から脂肪幹細胞を分離し、培養容器内で2~3週間ほど培養します。なお、培養に際して動物由来成分は一切使用しません。その後、一定量の細胞を回収し、細胞数や生存率の検査、品質試験などを行い、その合否などの確認が終了次第、治療用としてクリニックに送られて来ます。
  5. 幹細胞投与
    幹細胞は約1時間かけて点滴によって投与します。
    複数回投与の場合は、培養した幹細胞を培養加工施設で凍結保存し、3ヶ月ごとに継続しての投与が基本となります。
    したがって、2回目以降は脂肪採取の必要ありません。
  6. アフターフォロー
    培養した幹細胞を投与してからは定期的に検診を行い、状態の変化を確認します。
    その結果を踏まえ、投与する量や頻度などを調整。また、ホームケアについてのアドバイスも行い、ご要望を叶えられるようにサポートします。

治療が受けられない場合

  • 本再生医療の同意説明文書の内容をご理解いただけない方
  • 脂肪採取時に使用する麻酔薬に対して過敏症のある方
  • 妊娠している可能性がある方
  • 治療担当医師が本再生医療の施行を不適当と認めた方
  • 20歳未満または85歳以上の方
  • 最近6ヶ月以内の病原性微生物検査(HIV、梅毒など)で陽性の方

リスクと副作用について

患者様と医師、両者の合意があって幹細胞治療が行われますので、治療のまえに「治療の目的や安全性・リスク・効果」について医師よりご説明します。以上の事をお考えの上で、治療方法や期待される効果、予想される副作用など、医師からの説明を十分にご理解いただいたうえで治療の同意を行ってください。

動脈硬化症に対する脂肪幹細胞治療に関する
海外の情報と妥当性について

脂肪組織由来幹細胞(ADRC)を用いた臨床研究は世界各国で行われています。

  • 動脈硬化症の中で最も重症といわれる重症下肢虚血に対しては、韓国でADRC移植による血管新生療法の研究が行われ、その安全性と有効性について高評価している。
  • フランスで重症下肢虚血に対して自己のADRCを筋注法で移植する血管新生療法の第一相試験の結果が報告されている。
  • Liらが動脈硬化モデルマウスに皮膚由来の間葉系幹細胞を静脈内投与した研究において、腕頭動脈内のプラークサイズが間葉系幹細胞投与群とコントロール群で有意な差が見られ、幹細胞投与群ではアテローム性動脈硬化の形成を特異的に予防されていることが判明した。間葉系幹細胞が炎症性サイトカインであるTNF-aを特異的に阻害し、抗炎症性サイトカインのIL-10発現を増加させることが示唆されている。
  • アテローム性動脈硬化モデルのニュージーランドラビットに骨髄由来間葉系幹細胞を静脈内投与したWangらによると、不安定プラークを有する群で、間葉系幹細胞を投与したMSC群では炎症性サイトカインであるhs-CRP、TNF-α、IL-6値が顕著に減少していたことが判明し、また抗炎症性サイトカインのTSG6、IL-10に対しても有意な上昇が確認されている。
  • 脆弱なプラークに対する間葉系幹細胞の効果としても、不安定なプラーク内にて見られた大きな脂質コアや薄い繊維性キャップ、多くの炎症細胞などの要素が、MSC投与後により安定したプラークとなっていることが判明した。間葉系幹細胞の静脈内投与は脆弱なプラークを安定化させ、プラークの破滅および閉塞の可能性を減らす可能性が示唆された。
  • 同様の現象は他の研究でも示されており、Guoらは心筋梗塞後のMSC投与は、心筋梗塞範囲を縮小したことを報告している。

動脈硬化症再生治療 施術価格Treatment price

動脈硬化症再生治療 施術価格
幹細胞再生療法 1回 1,700,000円
2回 3,100,000円

※価格は全て税込です。
※治療府に含まれる項目:カウンセリング・事前検査・脂肪採取・幹細胞培養・幹細胞投与・アフターフォロー

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